大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)716 判決

主 文

原判決及び第一審判決(被告人に関する部分)を破棄する。

被告人を罰金一万円に処する。

第一審における訴訟費用の二分の一は被告人の負担とする。

第一審判決摘示の判示第二の事実及これと一所為数法の関係にある判示

第一の事実(第一審判決添付第一表中八八七、八九五、八九九、九〇一、九一八、

九一九、九五〇、九五一、九八三、一〇一五、一〇四八、一一一〇、一一四〇、及

び一一七三の事実)を除く爾余の事実につき被告人を免訴する。

理 由

弁護人藤田馨の上告趣意について、

論旨は憲法違反を云為するがその実質は刑訴法違反の主張に過ぎず適法の上告理

由にあたらない。

職権をもつて調査するに本件において第一審判決摘示の判示第二の事実及びこれ

と一所為数法の関係にある判示第一の事実を除く爾余の事実は昭和二七年四月二八

日政令一一七号大赦令一条一〇号により大赦になつたのであるから、原判決及第一

判決中被告人に関する部分はこれを破棄し、右事実については被告人を免訴すべく、

大赦にならない前記事実について法律を適用すると、第一審判決判示第二の各所為

は労働基準法六二条一項に右所為と一所為数法の関係にある判示第一の各所為(即

ち主文第三項掲記の一四個の所為)は同法六〇条一項三二条一項に違反しいずれも

同法一一九条一号一二一条一項罰金等臨時措置法二条一項に該当するところ右判示

第一の所為と判示第二の一乃至一四の所為とは一所為数法の関係があるので刑法五

四条一項前段同一〇条により犯情の重いものと認める労働基準法六二条一項違反の

罪の刑をもつて処断すべく右所定刑中罰金刑を選択し併合罪であるから刑法四五条

前段四八条二項により各所定罰金額を合算した金額の範囲内で被告人を罰金一万円

- 1 -

に処すべく訴訟費用の負担については刑訴一八一条一項を適用し主文のとおり判決

する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 熊沢孝平関与

昭和二七年一一月七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!