大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和27(し)43 決定

主 文

本件特別抗告を棄却する。

理 由

本件特別抗告申立の趣意について。

本案の記録によると、被告人は本件の第一審公判において昭和二七年一月一四日

附起訴状記載の公訴事実全部を自白し、被告人及び弁護人は検察官の取調請求にか

かるAの供述書及び同人の検察官に対する第一回供述調書を証拠とすることに同意

し証拠調請求について異議のなかつたことが認められる。即ち被告人は第一審にお

いて右Aに対する反対訊問権を抛棄しその他原審において新たに申請した証拠につ

いても第一審において特にこれが証拠調請求のできなかつたことを認めるに足る事

由は存しないから被告人はこれが証拠調請求のできたのにかかわらず、あえてこれ

を為さずその権利を抛棄したものといわなければならない。さすれば原審において

為した所論証拠調請求は刑訴三九三条一項但書の場合に当らないと解すべきである

から原審が右証拠調請求を却下したからといつて何等訴訟法違背はなく従つてこれ

を前提とする所論憲法三一条三二条違反の問題も起らない。そして又憲法三七条二

項によつていわゆる証人喚問請求権が被告人の権利として認められているからとい

つて直ちに裁判所は被告人の請求するすべての証人を取調べる義務を負うものでな

いことは既に当裁判所の判例とするところであるから右憲法の規定に基き原審が前

記証拠調請求を却下したことを非難する所論も当らない(昭和二三年(れ)第八八

号同年六月二三日大法廷判決、昭和二三年(れ)第二九九号同年七月一七日第二小

法廷判決参照)。

よつて本件特別抗告はその理由がないから刑訴四三四条、四二六条一項により全

裁判官の一致で主文のとおり決定する。

昭和二七年一〇月三一日

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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