最高裁判所第二小法廷 昭和27(れ)60 判決
主 文
原判決中被告人に関する部分を破棄する。
本件を東京高等裁判所に差戻す。
理 由
弁護人伊藤博文及び同美村貞夫の上告趣意は末尾添付の別紙書面記載のとおりで
ある、
右に対する判断。
原判決は判示傷害致死の事実を認定する証拠として数多の証拠を挙示し、これ等
を綜合して事実の認定をしているが、記録を精査しても、右の諸証拠中、第一審各
公判調書、原審における受命判事の証人A(原判決にBとあるは誤記と認める)及
び同Cに対する各訊問調書、司法警察官の被告人に対する第二回聴取書の一部並び
に押収に係る書面一通を除くその余の各証拠については適法な証拠調べをした形跡
の認められないことは論旨のいうとおりである。所論は、判例違反をも主張するけ
れども、その実質は、原判決のかかる瑕疵を指摘した法令違反の主張に過ぎないの
であつて、刑訴四〇五条所定の上告理由には当らない。しかし、原判決挙示の諸証
拠で原審において証拠調べを経ていないものの中には極めて重要なものがあり、且
つ証拠調べを経たことの明白な前記の証拠のみでは、未だ原判示の事実を認定する
に十分でない。
よつて、刑訴施行法三条の二刑訴四一一条一号刑訴施行法二条旧刑訴四四八条ノ
二により、裁判官全員一致の意見で主文のように判決する。
検察官竹原精太郎関与
昭和二七年一〇月一〇日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一
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裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
裁判官 栗山茂は出張につき署名押印することができない。
裁判長裁判官 霜 山 精 一
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