大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28(あ)2650 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人相原良一、同相原伸光の上告趣意について。

所論窃盗の事実は、第一審判決挙示の証拠によりこれを認めるに十分であつて、

第一審判決及びこれを是認した原判決には、所論のような実験法則に違背して推理

判断をした違法は認められない。所論引用の大審院判例は、本件に適切でなく、所

論判例違反の主張はその前提を欠くものである。なお、論旨中、量刑不当の主張は

刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人大津山定起の上告趣意について。

憲法三七条一項にいわゆる「公平な裁判所の裁判」とは、偏頗や不公平のおそれ

のない組織と構成をもつた裁判所による裁判を意味するものであつて、個々の事件

につきその内容実質が具体的に公正妥当な裁判を指すものでないことは、既に当裁

判所の判例の示すところである(昭和二二年(れ)四八号、同二三年五月二六日大

法廷判決、同二二年(れ)一七一号、同二三年五月五日大法廷判決各参照)。従つ

て、所論のように、原判決の事実認定に間違があるというだけの理由で、原審が公

平な裁判所でなく、右条項違反の裁判をしたものとなすことはできない。況んや、

原判決の事実認定に誤りのないことは、相原弁護人等の上告趣意について説示した

とおりである。論旨は採用に値しない。

その他記録を精査しても本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められ

ない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により主文のとおり決定する。

この決定は、裁判官全員一致の意見である。

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昭和三〇年七月二二日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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