大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28(あ)4418 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を福岡高等裁判所に差し戻す。

理 由

検察官の上告趣意について。

原審が所論執行猶予の言渡をした経緯を、記録に就いて按ずるに、右は原審が被

告人に関する所論前科の事実を知らざりしため、昭和二八年八月一八日の第二回公

判期日において本件執行猶予を付した判決主文を殆んど朗読言い渡した直後、被告

人より目下服役中である旨を申し立てたため(次いで同日福岡高等検察庁より所論

前科調書の提出あり)、原審は念のため更に同年同月二七日第三回公判期日を開き、

同期日改めて本件執行猶予を付した判決を宣告した関係にあることが推認できるの

である(記録一五三丁乃至一五六丁参照)。

以上の経緯により、原判決は所論前科を認定しながらなお且つ本件執行猶予の判

決をした関係にあるものでないことは、所論前科を認定判示していない原判決判文

に照しても明らかであり、従つて何等所論引用の判例に反する判断を示しているも

のではないから、所論判例違反の論旨は採ることができない。

しかしながら、職権をもつて調査するに被告人に所論前科のあることは前示前科

調書(記録一五四丁)によつて推認できるところであり、原審が執行猶予を言い渡

したのは、ひつきようこの点に関し審理不尽の違法があるものといわなければなら

ない。

よつて、裁判官一致の意見により、刑訴四一一条、同四一三条に従い主文のとお

り判決する。

検察官神山欣治出席

昭和三〇年一二月一六日

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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