大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28(あ)4982 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を広島高等裁判所に差し戻す。

理 由

被告人及び弁護人上田誠吉の各上告趣意は末尾添付の書面記載のとおりである。

職権により調査するに、第一審判決は、被告人に対する公訴事実中暴力行為等処

罰に関する法律違反及び住居侵入の各犯罪事実を認定し、両者は刑法四五条前段の

併合罪であるとして被告人を懲役一年に処し、昭和二五年広島市条例三二号集団行

進及び集団示威運動に関する条例違反の公訴事実については、なんら事実を確定す

ることなく、適用せられるべき同条例五条が違憲、無効であるから被告事件は罪と

ならないものとして無罪を言渡したのである。しかるところ原判決は、同条例は合

憲であるとしてなんら事実の取調をすることなく第一審判決を破棄し、訴訟記録な

らびに第一審裁判所において取り調べた証拠のみによつて右集団行進及び集団示威

運動に関する条例違反の事実の存在を確定し、第一審判決の認定した暴力行為等処

罰に関する法律違反及び住居侵入の所為と刑法四五条前段の併合罪であるとして被

告人を懲役二年に処したことは記録により明らかであり、右は刑訴四〇〇条但書の

許さないところである(昭和二六年(あ)第二四三六号同三一年七月一八日大法廷

判決、昭和二七年(あ)第五八七七号同三一年九月二六日大法廷判決各参照)。従

つて原判決は違法であり、上告趣意に対する判断をするまでもなく、この点におい

て破棄を免れない。よつて刑訴四一一条一号、四一三条により主文のとおり判決す

る。

この判決は、裁判官池田克の少数意見あるほか、裁判官一致の意見によるもので

ある。

裁判官池田克の少数意見は次のとおりである。

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原判決が、本条例違反の被告事件は罪とならないとして無罪を言渡した第一審判

決を破棄し、訴訟記録及び第一審裁判所において取り調べた証拠のみによつて直ち

に判決することができるものと認め、右部分についても被告人を有罪としたことは

何ら違法でないから、本件上告は棄却せられなければならない。その理由の詳細は、

昭和二七年(あ)第五八七七号同三一年九月二六日大法廷判決における裁判官田中

耕太郎、同斎藤悠輔、同本村善太郎、同池田克の反対意見ならびに昭和二六年(あ)

第二四三六号同三一年七月一八日大法廷判決における右田中、斎藤、本村各裁判官

の反対意見のとおりである。

検察官 片岡平太公判出席

昭和三五年一〇月二八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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