大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28(オ)1139 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士有田順吉の上告理由は末尾添付のとおりである。

上告理由第一点について

記録(同四丁、同四一丁参照)によれば、第一審においても、また所論原審にお

いても被上告会社の代表取締役としてDが登記されている登記事項証明書が提出編

綴されており、右証明書は民訴五二条にいわゆる「書面」に該当すること明らかで

あるから、所論資格証明書を欠くとの論旨は採るを得ない。

同第二点について

民訴三六六条は第一審判決言渡後その判決送達前に提起された控訴の効力を妨げ

ない旨を規定しておる。そして原判決中「……本件控訴は第一審判決言渡後控訴期

間の経過前に提起された控訴として適法である……」との判示は、本件第一審判決

正本の被告(上告人)に対する送達は無効であるとの認定判断を前提とし、右民訴

三六六条によつて結局本件控訴を適法としたものであることは原判文の全旨に照し

て明らかである。されば原判決には何等所論の如き違法はないから論旨は採るを得

ない。

同第三点について

所論取締役会の承認は手形の必要的記載事項ではない。そして原判決の引用する

第一審判決の確定した事実によれば、上告人は本件約束手形を被上告会社に裏書譲

渡したというのであつて、被上告人の本訴請求は右裏書に因る遡及権の行使である

から、仮に本件手形の振出が所論取締役会の承認を欠き無効であると仮定しても、

手形行為独立の原則により上告人は裏書人としての手形上の責任を免れることはで

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きない。従つて被上告人の請求を認容した原判決には何等所論の違法はないのであ

る。論旨はひつきよう独自の見解によつて原判決を非難するものであつて理由がな

い。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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