最高裁判所第二小法廷 昭和28(オ)1188 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告理由第一点について、
解除権を有するものが、久しきに亘りこれを行使せず、相手方においてその権利
はもはや行使せられないものと信頼すべき正当の事由を有するに至つたため、その
後にこれを行使することが信義誠実に反すると認められるような特段の事由がある
場合には、もはや右解除は許されないものと解すべきことは当裁判所の判例とする
ところであり(昭和二八年(オ)第一三六八号昭和三〇年一一月二二日第三小法廷
判決)、本件において所論解除権が四年一ヶ月余に亘り行使せられなかつたことは
所論のとおりであるが、原審認定の一切の事実関係によつてはいまだ相手方たる上
告人において右解除権がもはや行使せられないものと信頼すべき正当の事由を有し、
また被上告人の本件解除権行使が信義誠実に反するものと認むべき特段の事由があ
つたものとは認められない。所論違憲の主張は、その実質は単に本件解除権行使の
法令違反であるゆえんの主張に帰し、適法なる違憲の主張ということはできない。
論旨は理由がない。
同第二点について、
被上告人の本件解除権行使が信義誠実に反するものと認むべき事跡の存しないこ
とは前論点において説示したとおりであつて、所論はこれに反する事実に立脚して
判断遺脱を主張するものにすぎない。論旨はこれを採用することができない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
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裁判長裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
裁判官 池 田 克
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