大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28(オ)1427 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人小沢茂の上告理由第三項について。

上告人が、原審において、被上告人は本件手形を訴外D電機株式会社から期限後

裏書により譲渡を受け所持人となつたのであるから、上告人は右手形につき支払義

務がない旨主張したことは、一件記録上明らかである。しかしながら、期限後裏書

に関する手形法二〇条の規定は、手形債務者が期限後裏書の裏書人に対抗できる抗

弁を有するときは、これをもつてその被裏書人に対抗できる旨を定めたに止まり、

右裏書人の前者に対する抗弁をもつても右被裏書人に対抗できるとしたものでない

ことは、いうまでもない(昭和二九年三月一一日第一小法廷判決、民集八巻三号六

八八頁参照)。ところが、上告人は、本件手形の受取人(D電機株式会社の前者)

たるE産業株式会社に対する抗弁事実を主張したに止まり、期限後裏書の裏書人た

るD電機株式会社に直接対抗できる抗弁を有する事実は、何もこれを主張しなかつ

たのであるから(もつとも、E産業株式会社に対する前記抗弁事実につき、D電機

株式会社の悪意をも主張したように受け取れないことはないが、この点は原判決が

適法にこれを排斥した)、上告人の前記期限後裏書に関する主張は、主張自体理由

がないものとなさざるをえない。したがつて、原判決は、この点に関する判示がた

とえ不十分であつても、上告人の右主張を排斥して被上告人の本訴請求を認容した

結論においては正当であるから、論旨は結局理由がない。

その他の論旨は、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」

(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法

にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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