大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28(オ)582 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人宗政美三の上告理由第一点について。

所論前段の点につき、原判決が本件賃貸借契約成立当時における本件の目的物に

ついて「未だ屋根は野地板の上に枌を打つた程度、壁はぬきを施した程度、床板は

奥の間だけ張つた程度、畳建具もまだ入つていない程度のものであつた」と判示し

ていることは所論のとおりである。しかし仮に右原判示の程度においては所論の如

く未だ之を不動産としての建物とは認め難いものとしても原判決は「前記程度の建

築中の建物を上告人において賃借するに際し賃借後上告人において自己の商売向き

に造作を施し、その部分は賃貸借終了後明渡の際無償をもつて被上告人に譲渡する

旨を約し、爾後上告人は造作を施して工事を完成し現状の建物とした事実、そして

本件賃貸借は昭和二五年一月三一日終了した結果、上告人は被上告人に対し右建物

明渡の義務が発生し、同時に右加工された部分は被上告人の所有に帰した」趣旨の

事実を証拠により認定判示していること明らかであるから、本件目的物は右上告人

の加工により建物として完成し且つそのすべての所有権は被上告人に属するに至つ

たものとする以上、所論の本件賃貸借契約成立当時本件目的物が独立した不動産と

しての建物と認められるや否やの点につき判断を費すまでもなく、右明渡義務発生

当時における建物の状態の全部が被上告人の所有に属するに至つたものとする原判

決の結論には何等の影響を与えるものではないから、論旨は到底採ることはできな

い。

所論後段は原審の証拠の取捨、事実認定を非難するに帰するものであつて、適法

な上告理由に当らない。

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同第二点について。

所論は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二

五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆ

る「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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