大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28(オ)749 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人岡田錫渕の上告理由第二点について。

原判決は、本件二〇万円支払の経緯に関しては、上告会社は昭和二五年六月一四

日訴外D工業株式会社名義の「上告会社に対する特殊消火器売買代金債権を被上告

人に譲渡した」旨の確定日附ある通知を受け、次で同訴外会社代表者Eから「右債

権をFに譲渡した」旨の通知をも受けた折柄、右E、F、弁護士Gの三名が同道し

て来て「右訴外会社は上告会社に対する右債権を被上告人に譲渡したことはない」

と力説されたため、上告会社の担当係長Hは之を信じ、かつ、元来の債権者である

D工業株式会社に支払えば問題がないと考え、Eから、被上告人に債権譲渡をした

事実はないという上申書を差し入れさせて、同人に金二〇万円を支払つたとの事実

を認定し、右の事情関係からしては上告人抗弁のように債権の準占有者に対する有

効な弁済があつたものとすることはできない旨判示したのであつて、原判決は所論

のように右Eに対する支払をもつて、債権の準占有者に対する弁済にあたるものと

解したのではないのであるから、このことを前提とする論旨は採用のかぎりでない。

その余の論旨は、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」

(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法

にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。(なお

論旨引用の大審院判例はすべて本件に適切でない。)

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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