最高裁判所第二小法廷 昭和28(オ)814 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人代理人吉岡大輔の上告理由について。
商法四九三条所定の発起人等の涜職罪は「不正ノ請託ヲ受ヶ」ることを、その構
成要件とするものであることは同条の明定するところである。そして、原判決認定
の事実によれば、被上告人から受けた判示の請託は、同条にいわゆる「不正ノ請託」
にあたらないとした原判決の判断は正当である。論旨引用の大審院判例(イ)(ロ)
(ハ)はいずれも「不正ノ請託」を要件としない刑法収賄罪に関するものであつて、
本件に適切でない。また本件金員の交付をもつて民法七〇八条にいわゆる不法原因
給付にあたらないとした原判決の判断は相当であり、この点に関し論旨引用にかか
る判例は、いずれも適切でない。
その余の論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」
(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法
にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
裁判官 池 田 克
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