最高裁判所第二小法廷 昭和28(オ)933 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人伊藤武一の上告理由第一点について。
事実に対する法律上の見解については、裁判所は当事者の見解に拘束されるもの
ではない。したがつて本件において所論被上告人(一審原告)が売買と主張する事
実につき原審がなした判断は違法ではない。それ故原判決には所論の違法はなく論
旨は採るを得ない。
同第二点について。
原判決が引用する第一審判決は、本件契約は、代金の内金三万円については木材
百二十石を引渡して決済する約束の下に成立したと認定し、右木材の引渡は代金に
関する代物弁済の予約であり、そして右予約の無効は本件契約の無効を来すもので
ないと判示しているに外ならないものと認められる。原判決挙示の証拠によれば右
の原判示は何れも相当と認められる。所論は右判示の趣旨を誤解したか、または判
示と異る前提に立つてこれを争うに過ぎないものであつて、到底採用することがで
きない。
その他の論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」
(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法
にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 栗 山 茂
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裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
裁判官 池 田 克
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