大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和29(あ)1108 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人並びに弁護人森岡三八、同江村高行の各上告趣意(後記)は、いずれも刑

訴四〇五条の上告理由に当らない。(被告人の自白の任意性を欠くことは本件にお

いてみとめられない)また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認め

られない。(第一審判決の証拠説明は記録と対照すれば、どの証拠によつて、どの

事実が認定せられたか明白である。又右証拠中判示にそわない部分はこれを採証し

なかつたものと解すべきである)よつて同四一四条三八六条一項三号により主文の

とおり決定する。

この決定は、弁護人森岡三八、同江村高行の上告趣意第一点に関する裁判官小谷

勝軍の次の少数意見を除き、裁判官一致の意見によるものである。

裁判官小谷勝軍の少数意見は次のとおりである。

私の意見の要旨は、本件森岡江村両弁護人上告趣意第一点の論旨は刑訴四〇五条

の上告理由には該当しない。しかし右論旨指摘の点である、本件第一審判決の証拠

の標目の判示方法は、証拠裁判主義を宣明した刑訴三一七条及び同三三五条一項に

違反した違法があるものといわなければならない。そしてこの第一審判決及びこの

第一審判決のこの点を是認する旨を判示した原審判決は何れも之を破棄しなければ

著しく正義に反するものと思料する(即ち刑法四一一条一号に該当する)。しかし

記録を調べると第一審判決認定の各犯罪事実は同判決挙示の各証拠により之を認定

できるものと認められるから、該挙示の証拠を各事実ごとに分類してその標目を挙

示し、もつて刑訴四一三条但書により当裁判所において自判し得べきものであると

ころ、この判決に相反する当裁判所の判例が既に存するから、右既に存する当裁判

所の判例を改めるため、本件は事件を大法廷に廻付しその評議に付すべきものであ

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ることを主張する。

そして以上私の意見の詳細は、昭和二七年(あ)第五六七五号同二九年五月二八

日第二小法廷判決(最近の判例集に登載される予定)に付した、私の意見をここに

引用する。

昭和二九年八月二〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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