大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和29(あ)1237 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人両名弁護人太田耕造、同正木亮の上告趣意第一点中判例違反をいう点は、

引用判例が事案を異にし本件に適切ではなく、その余は単なる法令違反の主張であ

り(原判決が所論起訴状記載の公訴事実について判示するところは正当であつて、

所論のような違法はない。)、同第二点中判例違反をいう点は、判例を具体的に示

していないから(刑訴規則二五三条参照)上告理由として不適法であり、その他は

単なる法令違反の主張、同第三点は事実誤認、訴訟法違反の主張であつて、いずれ

も刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

なお、所論A丸の没収につきその所有者が何人であるかの事実は、刑訴三三五条

にいう罪となるべき事実に属しないから、これを認めた証拠を判決に挙示する必要

はない。そして、本件記録中、いずれも一審三回公判廷において適法に証拠調の施

行せられている司法警察員作成のB、C、Dに対する各参考人供述調書、司法警察

員作成の昭和二六年一一月一七日付領置調書、大蔵事務官の被告人両名に対する各

質問調書等を綜合すれば、右A丸が被告人E、原審相被告人F等の所有に属する事

実を認定するに十分であるから、原判決には所論のように刑訴三三五条の解釈適用

を誤つた違法は存しない。また、旧関税法八三条一項にいう「其の犯罪行為の用に

供したる船舶」とは、同法七六条一項所定の既遂行為の用に供した船舶のみでなく

同条二項所定の未遂行為および予備行為の用に供した船舶をも含むと解すべきであ

るから(昭和二七年(あ)第三六八三号同三二年二月二一日第一小法廷判決、集一

一巻二号八四九頁参照)、原判決認定の事実関係の下では、所論A丸は右八三条一

項に該当する船舶として同条項によつてその没収を免れないものであつて、原判決

のこの点に関する判示は誤りであるけれども、所論A丸を没収すべきものであると

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したその結論においては正当である。

また、記録を調べても、刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三三年二月一四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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