大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和29(あ)1681 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人後藤正三の上告趣意について。

第一審判決の確定したところによれば、被告人は木炭の生産を業とする判示会社

の取締役社長であり、同会社の生産した木炭を、政府に売渡すことを業務とする指

定業者である岐阜県薪炭林産組合を通じて売渡した後、右組合の委託により右木炭

を保管中、擅に第三者に売却処分したというのであつて、既に他人の所有に帰した

財産を、被告人が会社代表者としてその他人のため保管していた事実を確定してい

るのである。しかるに所論引用の判例は、会社所有の金員を会社内部の関係におい

て何人が業務として保管していたかの問題の事案に関するものであつて、本件には

全く不適切のものであるから、論旨は理由がない。

よつて刑訴四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決

する。

昭和三一年四月一三日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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