大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和29(あ)1889 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人松本正雄、同野口恵三の上告趣意第一点前段は、被告人の自供と、その挙

示された証拠の標目の示す証拠の内容とを照し合せれば優に本件犯罪事実を認定し

得るものであつて、所論第一審判決の証拠説明は刑訴三三五条一項に違反するもの

でないことは明らかである。所論引用の名古屋高等裁判所金沢支部の判例は本件の

如き場合に当てはまる判例ではないから、判例違反の主張は採るを得ない。第一点

後段は、共同被告人の供述は補強証拠たり得ること当然であつて、所論引用の大法

廷判例(昭和二三年(れ)第七七号同二四年五月一八日判決)は所論の如く解すべ

きものではなく、共同被告人の供述は補強証拠たり得る趣旨であること明らかであ

る。されば本件は補強証拠の備わる場合であること明白であるから所論憲法三八条

三項及び刑訴四一九条三項違反の主張はその前提を欠くものであるから、之又採用

の限りでない。

次に第二点は憲法三六条三七条違反を云うけれども、その実質は何れも量刑の不

当を主張するに過ぎないものと認むべきであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当ら

ない。また記録を調べても本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められ

ない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和二九年一二月四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

- 1 -

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!