大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和29(あ)2304 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鍵尾豪雄の上告趣意第一点について。

所論引用の東京高等裁判所の判例は、既に入港して岸壁に碇泊中の船舶から、単

に所定の場所以外の場所に貨物を陸揚するため、陸揚用機帆船に積載した場合に関

するものであつて、本件のように、いまだ入港もしない山口県aの沖合海上におい

て韓国船から積替、もつて広島県安芸郡b町cに陸揚したような場合とはその事情

を異にするから、本件には不適切の判例である。論旨は採ることができない。

同第二点について。

所論は、関税法(本件に適用された旧関税法)八三条三項に基き被告人に科した

追徴は憲法一三条、三六条に違反すると主張する。

しかし、憲法三六条にいう残虐な形罰とは、不必要な精神的肉体的苦痛を与える

ことを内容とする人道上残酷と認められる刑を意味するものであることは、夙に当

裁判所大法廷の判例とするところであり(昭和二二年(れ)第三二三号、同二三年

六月二三日判決、集二巻七号七七七頁)、また所論追徴が憲法一三条に違反するも

のでないことも昭和二二年(れ)第一一九号、同二三年三月一二日大法廷判決(集

二巻三号一九一頁)及び昭和二三年(れ)第一〇三三号、同年一二月一五口大法廷

判決(集二巻一三号一七八三頁)の各論旨に照して明らかであるから、所論違憲の

主張は何れも理由がない。

また記録を調べても、本件に刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三二年九月二七日

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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