大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和29(あ)4116 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人A弁護人静永世策の上告趣意について。

第一は、被告人の偽造した外国人登録証明書の基盤をなす外国人登録制度は、本

件の場合は、朝鮮人を対象とする制度であり、人種により差別待遇をするものであ

るから憲法一四条に違反すると共に、その登録証明の関係で居住移転の自由を妨げ

るものであるから同二二条にも違反する、従つて、かかる違憲の制度に基ずく外国

人登録証明書も違憲無効の書類であつて、これについては公文書偽造罪は成立しな

いと主張するけれども、外国人登録制度を規律する外国人登録令が憲法一四条に違

反しないこと、及び同令が憲法二二条の居住移転の自由を制限するものでないこと

は、当裁判所の判例とするところである(昭和二六年(あ)第三九一一号同三〇年

一二月一四日大法廷判決集九巻一三号二七五六頁、昭和二五年(あ)第五八六号同

二八年五月六日大法廷判決、集七巻五号九三二頁、昭和二七年(あ)第五一六四号

同二九年四月一六日第二小法廷判決、集八巻四号五一七頁)。そして本件は、外国

人登録令施行時から外国人登録法にわたる犯罪であるが、外国人登録令と目的趣旨

を同じくする外国人登録法が右憲法の各条規に違反するものでないことも、右判例

の趣旨に照して明かである。論旨は、外国人登録制度の違憲を前提とするものであ

つて、理由がない。

第二は、単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない

(所論の点に対する原判示は正当である)。

第三は、量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

被告人B弁護人山本良一の上告趣意について。

所論は、量刑不当の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

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被告人C、同D弁護人山本良一の上告趣意について。

一は、量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

二は、被告人両名に対する量刑は、被告人等が朝鮮人であるという人種的差別に

より重くしたものであるから、憲法一四条に違反するとの主張であるが、記録によ

るも、右の事由によつて被告人等に対し特に重い刑を科したものと認められず、右

違憲の主張は、その前提を欠き採るに足りない。

なお本件につき記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三二年四月五日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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