最高裁判所第二小法廷 昭和29(あ)466 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
被告人四名の弁護人小林為太郎の上告趣意第一点について
原判決において、京都市a区役所の外国人登録事務の一係員たる被告人Aが、外
国人登録証明を受ける資格のない者に同証明書を交付する目的で、不正の同証明書
交付申請を故らに正当のものとして受理した上、情を知らない他の同係員の手によ
り同区長作成名義の同証明書を調製せしめ、かつ同区長の職印を冒捺させて、同証
明書を偽造した事実を認定し、これを刑法一五五条の偽造罪に問擬したことは、相
当といわなければならない。されば、本件と具体的事実関係を異にし虚偽の公文書
作成に関する所論引用の判例は、いずれも本件に適切でないから、所論判例違反の
主張は、適法な上告理由とならない。
同第二点について
憲法三七条一項にいう公平な裁判所の裁判とは、組織構成において偏頗や不公平
のおそれのない裁判所による裁判を意味するものであつて、被告人の側から見て刑
に不服のある裁判のごときをいうものではないのみならず、また科刑は被告人各個
人について、犯罪の動機情状その他諸般の事情を考慮して決定せらるべきものであ
つて、従つて共同被告人の間に刑の軽重があつても不公平ということはできないこ
とは、当裁判所判例の示すところである(昭和二二年(れ)第四八号、同二三年五
月二六日大法廷判決、昭和二三年(れ)第四三五号、同年一〇月六日大法廷判決参
照)。されば所論違憲の主張は理由がない。
同第三点について
所論は量刑不当の主張にほかならないものであつて、刑訴四〇五条の上告理由に
当らない。
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記録を調べても、本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
昭和三一年七月一三日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
裁判官 池 田 克
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