大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和29(あ)758 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人横田武、同吉田勧の上告趣意について。

所論は単なる量刑不当の主張であつて、上告適法の理由とならない。

弁護人杉崎安夫の上告趣意第一点について。

しかし、現行犯の場合に関する限り、法律が司法官憲によらず、また司法官憲の

発した令状によらずその犯行の現場において捜索、押収等をなし得べきことを規定

したからとて、立法政策上の当否の問題に過ぎないのであり、憲法三五条違反の問

題を生ずる余地は存しないのであるから、国税犯則取締法三条一項の規定は憲法三

五条に違反するものでないことは、昭和二四年(れ)第一一四三号、昭和三〇年四

月二七日言渡の当裁判所大法廷判決(判例集九巻五号九二四頁)の趣旨とするとこ

ろである。そして本件記録を見るに、所論犯則事件取調顛末書は収税官吏、大蔵事

務官が国税犯則取締法三条一項の規定に基き、犯則嫌疑者たる被告人立会の上犯則

の現場を臨検、捜索、差押をなし、且つその現場において被告人に質問した際の顛

末を記載した書面であり、所論収税官吏、大蔵事務官の作成した差押調書は、その

時犯則の現場において、証憑物件を差し押さえた際に作成した差押目録であつて、

右各書面及び差押物件が違憲の手続によつてなされたものであるということはでき

ないから、所論違憲の主張はその理由がない。

同第二点について。

所論は単なる量刑不当の主張であつて、上告適法の理由とならない。

よつて刑訴四〇八条に従い主文のとおり判決する。

この判決は、弁護人杉崎安夫の上告趣意第一点に対する裁判官栗山茂の補足意見

及び裁判官藤田八郎の少数意見の外全裁判官一致の意見によるものである。

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弁護人杉崎安夫の上告趣意第一点に対する裁判官栗山茂の補足意見及び裁判官藤

田八郎の少数意見はそれぞれ前記昭和二四年(れ)第一一四三号の大法廷判決に記

載した同裁判官の各意見のとおりである。

昭和三一年六月二九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官谷村唯一郎は出張につき記名押印することができない。

裁判長裁判官 栗 山 茂

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