大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和29(オ)371 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人三上英雄、同中島勲の上告理由について。

所論指定物資配給手続規程は、臨時物資需給調整法により、昭和二二年、行政官

庁に対する内閣訓令として制定されたものであり、同配給手続規程のいわゆる「別

表に指定する物資」(指定配給物資)のひとつとして酒類を指定し、本件酒類の取

引が行われた当時においても、右指定配給物資としての酒類の表示に改変をみなか

つたことは所論のとおりであるが、右配給手続規程は、前記調整法第一条に基き主

務大臣が統制実施の対象となしうべき物資を指定するにとどまり、統制実施の範囲

を指定物資の全部に及ぼすか、その一部にとどめるかは、すべて主務大臣の定める

ところとする趣旨と解すべきである。従つて、「酒類配給規則」(昭和二三年大蔵

省令第三二号)が酒類の殆んど全部を統制の対象としていたところ、昭和二四年七

月大蔵省令第五九号による右配給規則の改正により、いわゆる「配給酒類」のみを

統制の対象とすることとなつた以上、この改正により酒類の配給統制が原則として

撤廃され、その「配給酒類」についてのみこれを存することとなつたものと解され、

本件酒類取引の時期が右改正規則の適用を受ける期間内に属することは、原審の確

定するところである。そしてかかる場合、取引の目的物が右「配給酒類」であるこ

とについて証拠がないときは、統制を受けている「配給酒類」の取引であることを

主張する当事者の不利益に事実を確定すべきものと解するを相当とする。それ故、

これと同趣旨に出でた原判決は正当であつて、所論の如き違法はないものといわな

ければならない。論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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