大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和29(オ)377 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一、二点について。

上告人は大正一〇年頃から、昭和一〇年四月頃まで、賃借権にもとずき本件土地

を耕作していたこと、本件買収当時Dがこれを占有して使用耕作していたことは、

原判決の確定するところである。上告人は原審において「本件土地を昭和一〇年四

月Dに転貸したが同一三年四月期間満了により転貸借終了したから、本件買収当時

の正当な耕作権者は上告人である」と主張したのであるが、原判決は、買収当時本

件土地を現実に占有して使用耕作していたのはDであり、上告人の全立証を参照し

ても本件土地の正当な耕作権者がDでなく上告人であるとのことが本件売渡処分の

当時において、明白な事実であつたとは認め難いとし、従つてかりに上告人が正当

な耕作権者であるのに被上告人がそれをDと誤認して売渡処分をしたとしても、そ

の処分に明白なかしがあるとはいえないのであるから、右売渡処分は、単に取消の

事由となる違法を含むに過ぎず当然無効であるとはいえないと判示したのである。

原判決の右判断は正当であり、上告人は自ら、その有する取消権を適法に行使して

行政行為のかしを匡正することを敢えてしなかつたのであつて、これをもつて所論

のように上告人の財産権が不法に侵害せられたものということのできないことは勿

論である。よつてその違憲の主張は前提を欠き、また判例違反の主張は具体的判例

を掲示しないから、適法な主張とは認め難い。(尚同第二点非農地の主張は、何ら、

上告人の利害に消長するものでないから、適法な上告の理由とはならない)

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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