大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和30(あ)1636 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人の上告趣意は刑訴四〇五条の適法な上告理由に当らない。弁護人島田

徳郎の上告趣意第一点は原審で主張せず従つて原審の判断を経ていない事項につい

て当審で初めて違憲と判例違反を主張するものであり(なお実質論としても、被害

届は補強証拠たり得ること勿論であり、また所論引用の判例は「盗まれたかどうか

判らない」場合のものであつて、本件「調べたら盗まれたことが判つた」場合及び

「被害届の提出が遅れた」場合には不適切な判例であるから論旨は理由がない)。

同第二点は本件のような場合原判決は第一審判決の証拠を引用したものと解すべき

こと、既に当裁判所屡次の判例とするところであるから所論違憲の主張は前提を欠

きいずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を

適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により裁判官全員一致

の意見で主文のとおり決定する。

昭和三〇年九月二日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!