大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(あ)1652 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

検察官の事件受理申立理由について。

本件記録に徴すれば、被告人は前に高松地方裁判所において、昭和二九年八月四

日、食糧管理法違反罪により徴役三月に処し三年間右刑の執行を猶予する旨の判決

言渡を受け、右判決は、同月一九日確定したのであるが、原審裁判所は被告人に対

し、右判決言渡以前の犯行である同年七月二四日の食糧管理法違反の所為について、

更に懲役四月及び罰金二万円に処し、刑法二五条一項に則り三年間右懲役刑の執行

を猶予する旨の判決を言渡したことが認められる。論旨は本件の如く前に刑の執行

猶予の判決を受けた被告人に対し、その執行猶予期間内に更に執行猶予の判決を言

い渡すには、刑法二五条二項の規定の新設された今日においては、必ず同条項によ

るべきであつて、刑法二五条一項に則り前記執行猶予の言渡をした原判決は違法で

あると主張する。

しかし被告人が前に執行猶予の判決言渡を受けたことがあつても、新たに審判す

べき犯行が前の判決により認められた罪の余罪であつて、事実審裁判所がこれを同

時に審判すれば一括して執行猶予を言い渡し得たであろう情状があると思料したと

きは、刑法二五条二項が新設された後においても同条一項によつて刑の執行猶予を

言い渡すことができることは、昭和二九年(あ)第二四五九号同三一年五月三〇日

言渡大法廷判決の判示するところである。そして本件原裁判所は、被告人の本件犯

行は、これを、前の執行猶予の判決の罪と同時に審判したならば一括して執行猶予

の言渡ができる情状があるとして原判決を言い渡したものと解されるから、原判決

には何ら違法はなく所論は採用できない。

よつて刑訴四〇八条に則り主文のとおり判決する。

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この判決は全裁判官一致の意見である。

昭和三一年七月二七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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