大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(あ)3384 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人三輪寿荘、同豊田求の上告趣意第一点は、憲法一四条違反をいうけれども、

刑事裁判においては個々の事件につき証拠により具体的に判断し妥当な処置を講ず

べきものであるから、本件と類似の他の被告人の事件が無罪となつて確定したから

といつて、本件もそれと同様の処遇を受けなければ右憲法の規定に違反するという

ことはできないこと当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第四三五号、同年一〇月六

日大法廷判決、集二巻一一号一二七五頁参照)の趣旨に徴し明白であり、原判決は

差戻後の第一審判決挙示の証拠により被告人の有罪を認めることができるとしてい

るのであるから、所論は理由がない。同第二点は原審の証拠の取捨判断を非難し事

実誤認を主張する(所論検察官作成の蔵並もとの昭和二五年五月六日附第一回供述

調書は弁護人側においてこれを証拠とすることに同意したものではないこと所論の

とおりであるが、検察官において刑訴三二一条一項二号の規定に基いてこれが取調

の請求をなしたものであり〔記録三四七丁参照〕、同調書は同規定の要件を備えて

いるから、証拠能力があること明白である)ものであつて、刑訴四〇五条の上告理

由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三三年二月二一日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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