大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(あ)3449 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人岸達也の上告趣意第一点、第二点について。

所論は、原審で主張せずその判断を経ない事項であるから上告適法の理由となら

ない。のみならず所論引用の判例は、いずれも運動報酬の供与又は投票買収即ち供

与罪を共謀した共謀者間の供与資金の授受は罪とならないとするものであつて、本

件第一審判決は、被告人Aと同Bとの間に金銭供与の共謀の事実を認定していない

のであるから、所論引用の判例は本件に適切でなく、論旨はその前提を欠くもので

ある。

同第三点について。

本論旨も原審で主張されずその判断を経ない事項であり上告適法の理由とならな

いのみならず本件第一審判決認定の事実と引用の判例の対象である事案とは事実を

異にするものであるから、所論判例は本件に適切でない。

同第四点について。

本論旨もまた原審で主張せずその判断を経ないものであるから上告適法の理由と

ならないし、刑訴四〇五条の上告理由にもあたらない。

同第五点は、単なる刑訴法違反の主張であり、第六点は事実誤認、第七点は量刑

不当の主張であつていずれも刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

被告人Aの弁護人福井盛太、同飯塚信夫の上告趣意第一点について。

被告人と相被告人Bとの間に第一審判決判示第一ノ(一)、(二)の各三万円の

授受のあつたこと及びその金の趣旨についての直接の証拠は被告人Bの検察官に対

する自白であることは所論のとおりであるが、第一審判決は右Bの自白の外公判廷

における被告人とBの供述並びにその他の補強証拠により右自白の真実性を認定し

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たことが窺えるから所論違憲の主張はその前提を欠くものである。

同第二点、第三点は事実誤認の主張であり、第四点は量刑不当の主張であるから

刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

被告人Bの弁護人池田純亮の上告趣意第一点は判例違反をいう廉もあるが、所論

の実質はすべて事実誤認の主張であり、第二点は判例違反をいうけれどもその実質

は第一点と同様事実誤認の主張に外ならず、第三点は量刑不当の主張でありいずれ

も刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

被告人Bの弁護人三原道也の上告趣意第一点は事実誤認、第二点は違憲をいうも

その実質は事実誤認の、第三点は量刑不当の主張であつていずれも刑訴四〇五条の

上告理由にあたらない。

被告人Bの弁護人竹内誠の上告趣意第一点は原審で主張せずその判断を経ない事

項であるのみならず第一審判決が所論被告人等の公判廷の供述の一部を証拠とした

のは、供述中判示に符合する被告人等間に金銭の授受があつたとの事実を証するた

めであると認められるのであつて何ら供述の趣旨を変えて事実を認定したものでは

ないから所論判例違反の主張はその前提を欠くものである。論旨第二点も原審で主

張せずその判断を経ない事項であるから上告適法の理由とならないばかりでなく第

一審挙示の証拠によれば同判示事実を認めるに十分であつて、何ら経験則違反の点

はないから所論判例違反の主張もまたその前提を欠くものである。第三点は量刑不

当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三一年二月二九日

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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