大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(あ)423 判決

主 文

原判決及び第一審判決を破棄する。

被告人は無罪。

理 由

弁護人長崎祐三の上告趣意について。

論旨は違憲をいうけれども、前提において原判示銃砲刀剣類等所持取締令の解釈

を争うものであつて、刑訴四〇五条の適法な上告の理由とすることはできない。

職権をもつて調査するに、原審は、本件日本刀は右取締令七条の規定による登録

を受けたものであることを認めながら、被告人が、昭和二九年五月二〇日田川市a

区b炭坑A寮より同市c区de附近まで携行所持したとの認定事実に対し、右は同

令二条に違反するものであるとして、被告人を有罪とした第一審判決を支持したの

である。

しかしながら、同令七条の規定による登録を受けた日本刀を所持することは、同

二条所定の所持罪の対象から除外され、これを所持する目的の如何にかかわらず所

持罪として処罰されるべきものでないことは当裁判所の判例の示すところである(

昭和三二年(あ)第四三〇号同年一〇月四日第二小法廷判決参照)。

それ故、本件被告人の所為は罪とならないものであり、これを有罪とした原判決

並びに第一審判決は、同令の規定の解釈をあやまつた違法あるものというべく、刑

訴四一一条により破棄を免れない。よつて当裁判所は同四一三条、四一四条、四〇

四条、三三六条を適用して主文のとおり判決する。

右は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 福島幸夫公判立会。

昭和三二年一一月二二日

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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