最高裁判所第二小法廷 昭和30(あ)758 判決
主 文
本件上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理 由
弁護人山本晃夫の上告趣意は、原審で主張、判断のない事項に関する主張であつ
て適法な上告理由とならない。そして、被告人の自白と補強証拠と相俟つて全体と
して犯罪構成要件たる事実を認定し得られる場合には、必ずしも被告人の自白の各
部分について一々補強証拠を要するものでないことは、当裁判所の判例とするとこ
ろであり(昭和二三年(れ)七七号同二四年五月一八日大法廷判決、集三巻六号七
三四頁)、第一審判決は、判示第五事実を被告人の当公廷での供述(自白)、被告
人の検察官に対する第五回供述調書(自白)の外、Aの司法警察員に対する第六回
供述調書を補強証拠として認定しており、右Aの司法警察員に対する供述調書の記
載は前示判示事実の一部を証するものであつても、被告人の自白にかかる事実の真
実性を十分に保障し得るものであるから、同判決は被告人の自白のみによつて判示
第五事実を認定したものということはできない。されば、第一審判決を是認した原
判決に違法はなく、違憲をいう論旨はその前提において採るを得ない。また記録を
調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す
る。
昭和三〇年七月一五日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
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裁判官 谷 村 唯 一 郎
裁判官 池 田 克
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