大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(あ)816 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人荒川正一の上告趣意及び同米沢多助の上告趣意第一点について。

論旨は、いずれも、原判決は引用の判例に違反するとともに、審理不尽、理由不

備の違法があるというにあるところ、原判決は、本件の被害者Aをその説示する如

き理由により盗犯等の防止及処分に関する法律一条一項三号の不法侵入者とも不退

去者とも認定していないのであり、しかもこの認定には所論のような違法は認めら

れない。従つて引用の諸判例(昭和二三年(れ)第一二七号同年五月二〇日第一小

法廷判決、昭和二四年(れ)第一六〇一号同二五年一〇月一一日大法廷判決、昭和

二三年第(れ)一二二三号同年一一月二五日第一小法廷判決、昭和二六年(れ)第

一五五六号同二七年五月二日第二小法廷判決)は、いずれも事案を異にし本件に適

切でない。また、原判決はおよそ喧嘩には正当防衛の観念を容れる余地がないとい

う趣旨を判示したのではなく、本件闘争行為の全般を具体的に考察して被告人の本

件所為は正当防衛行為に当らないと判断したもので、この判断は正当であり、むし

ろ引用の諸判例(昭和二二年(れ)第三三九号同二三年六月二二日第三小法廷判決、

昭和二三年(れ)第七三号同年七月七日大法廷判決、昭和二四年(れ)第二九五号

同年八月一八日第一小法廷判決)の趣旨に副うもので、これと相反する判断をした

ものとは認められない(引用の昭和二五年(あ)第二九二号同年一〇月一一日大法

廷判決は全く適切でない)。論旨はすべて採用できない。

弁護人米沢多助の上告趣意第二点は、事実誤認、量刑不当の主張であつて刑訴四〇

五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても本件につき同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三九六条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

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る。

検察官 高橋一郎出席

昭和三三年四月一八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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