最高裁判所第二小法廷 昭和30(オ)112 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人菅井良助の上告理由第一点について。
被上告人は、原審において、訴外D相互補償協会と補償契約を締結した者は、上
告人であると主張したのに対し、上告人は、「右契約の一方の当事者は上告人では
なく、訴外株式会社Eである」と答弁し、原審は、上告人のこの主張を認めたもの
であつて、原判決には所論の如き違法はない。
同第二点について。
原審は、本件災害補償(更生助成金交付)契約の対象となつた建物、商品、什器
等は、その殆ど全部が上告人個人の所有ではなく、訴外株式会社Eの所有であつた
ところ、上告人はこれ等の物件につき、先ず個人として、被上告人と本件契約を締
結し、次いで自ら訴外会社の代表者として、訴外協会と同一物件を対象として別個
の同趣旨の補償契約を締結し、しかもこれをことさらに、被上告人に秘していたこ
とを認定した上、たとい訴外協会との契約者は訴外会社であつて、上告人個人では
ないとしても、補償の対象及びその権利の所在が同一である点に照らし、被上告人
の定款一四条にいう「入会後他に損害補償の契約をなした場合」に該当し、上告人
は、災害あるも、補償請求権を有しないと判断したものであつて、右判断は正当と
認められる。所論は、右と異る見解の下に、右定款の規定を解釈しようとするもの
であつて、採用するを得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
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裁判長裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
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