大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(オ)171 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人高井吉兵衛、同青木米吉の上告理由第一ないし第三点について。

被上告人らが上告人ら先代Dに対して不動産所有権移転登記を求める所論旧請求

部分は被上告人らが原審でなした訴の交換的変更により消滅に帰したところであり、

被上告人両名訴訟代理人の新請求に関する陳述に対し上告人ら先代の訴訟代理人は

異議なく直ちに応答陳述しているから右の点について原審に所論違法なく、また登

記手続請求と所有権移転行為請求が別個の請求であることは明らかであるからこの

点に関する論旨も理由がない。

次に被上告人らの本訴旨は、被上告人らは上告人ら先代Dに対し、同人との間の

契約に基き、Aが第三者の所有に属した本件不動産の所有権を取得し、その取得登

記手続を経由したからその履行を求めるというにあり、その予備的訴の訴旨は、原

判決摘示の特約に基き被上告人らは上告人ら先代に対し株式に代る利益の返還と引

換えに不動産所有権移転、その登記手続を求めるというに在つて記録によれば、被

上告人ら訴訟代理人が右予備的請求について陳述したのは所論の通り原審第二四回

口頭弁論期日においてであるが、その内容は第一六回口頭弁論期日と同日である昭

和二五年一月一九日付を以て既に提出受理されていた「請求の趣旨原因補充申立書」

に基くものであつて、しかも右陳述内容に含まれる株式の譲渡に関する事実は上告

人ら先代Dが第一審以来主張するところであり、これにより訴訟が著しく遅延する

おそれがあるものでないことを窺うに足りるから原審にはこの点について所論違法

はない。

同第四点について。

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所論は原判示にそわない事実を前提とするか、ないしは独自の見解に立脚して原

判決を非難するに帰し採用できない。

同第五、第六点について。

原審は証拠に基いて、被上告人らと上告人ら先代との間に原判決記載のような特

約がなされたこと、E土地建物株式会社は解散しその登記を経由したので、右契約

に基き被上告人らと上告人ら先代間の本件各土地建物の売買契約の履行期は右会社

の解散と同時に到来し、株式譲渡契約は当然に失効し、上告人ら先代が本件土地建

物の所有権を取得したことにより、上告人ら先代は被上告人らから株式の返還を受

けると引換に右土地建物の所有権をそれぞれ被上告人らに移転すべき義務を負担し

たことを認定判断したことが原判文上明らかであつて原審に所論違法はない。

同第七点について。

所論は原判示にそわない事実に基いて原審を非難するもので採用できない。

同第八点について。

原判決挙示の証拠によつて所論事実を認定できないことはないから論旨は採用で

きない。

同第九点について。

論旨は採証法則違背をいうけれども、その実質は証拠の取捨判断を非難するに帰

し、原審に所論違法ありということはできない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

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裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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