最高裁判所第二小法廷 昭和30(オ)3 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 曲
上告代理人長谷川毅の上告理由について。
論旨は原審に審理不尽、理由不備の違法があると主張する。しかし、記録を精査
し原判決を仔細に検討しても原判決には所論の違法はない。すなわち、所論乙一、
二号証は被上告会社D支店E営業所作成名義の昭和二五年一二月三一目附F石炭株
式会社宛の「約束手形領収証」であつて、之によつて原審認定どおり被上告会社の
右営業所がF石炭株式会社から右日時に上告人主張どおりの金額に相当する約束手
形二通を受領したことを認定し得るに過ぎないのである。しかも、原審は証人Gの
証言を措信して右手形二通は右営業所勤務の単なる集金人H某が上告人方に係争の
金員支払を請求に行つた際上告人からF石炭株式会社に請求に行つて呉れと頼まれ
同会社に行つた結果受取つたに過ぎないものであることを認定し、右手形受領が被
上告会社の債務引受承認の趣意でなかつたことを説示し、仮に右によつて被上告会
社が債務引受を承認したものとしても右引受は債務の免責的引受でなく重畳的引受
であり、被上告会社の承認も右重畳的引受に関するものにほかならない旨を認定判
断しておること、原判決の行文上極めて明白だからである。されば論旨は到底採用
することができない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
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裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
裁判官 池 田 克
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