大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(オ)446 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人青柳孝の上告理由について。

原審は上告人の先代Dが昭和二一年一二月初旬係争の農地を被上告人に贈与すべ

き旨を約して同旨の契約証書が作成されその後被上告人において右贈与につき山梨

県知事の許可を受けたものであるとの事実を確定しているのであり、当時施行の農

地調整法、同施行令、同施行規則によれば農地の贈与についての知事の許可が贈与

の有効要件であつてその成立要件でないと解されるばかりでなく、贈与契約の締結

以前に右許可がなされなければならないと解すべき根拠もない(最高裁判所昭和二

七年(オ)第六五三号事件昭和三〇年九月九日当法廷判決、民集九巻一二二八頁以

下参照)のであるから、原審が前示贈与契約を有効としその効力が前示許可の時か

ら生じた旨判断したのは相当であり、右点に関する所論一ないし三はあたらない。

又、係争の農地がD所有の財産中主要なものでありDがこれを被上告人に贈与す

るについて妻Eその他の者の諒解を得ていなかつたことその他所論四ないし六のよ

うな事情が認められるとしても、原審の認定した事実関係のもとにおいては前示贈

与契約を所論の如く善良の風俗に違背する無効のものとは解し得ないのであつて、

此の点に関する原審の判断にも所論の違法はない。

更に、原判決挙示の関係証拠を綜合すれば原審認定の被上告人とD間の身分関係

を認め得られないわけではないから、原判決に所論七の如き違法ありと為し難く、

その余の論旨は原判決に影響を及ぼすことの明らかな法令違背を主張するものと認

められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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