大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(オ)571 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人鍛治利一、同登坂良作の上告理由について。

原審は、昭和一六年一二月一七日に成立した本件不動産譲渡の契約に当り、被上

告人Bは上告人に対し「借金を返せば戻してやる」と云い、これに対し、上告人も

「将来取り戻せばよい」と考えていたが、この点は本件契約の内容とならなかつた

旨、認定判示したのである。そして原審認定の一切の事実関係及び原審挙示の証拠

によれば、前記の如き「借金を返せば戻してやる」という点は、その当時、本件当

事者間において、未だそのような法律上の効果を生ぜしむべき意思を表示したもの

とは解し難いのであつて、結局、右の点は本件契約の内容とならなかつたという原

審の認定は、首肯するに足りる。論旨引用の判例は、いずれも本件に適切でない。

それ故、原判決には所論の違法はなく、論旨は、すべて採用し難い。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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