大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(オ)692 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人土居万亀の上告理由第一点について、

売買契約の締結に際し、当事者間に授受される金員が手附の性質を有することの

あることは所論のとおりであるが、原判決は上告人が本件木材売買契約に当り、被

上告人より受領した金十五万円は内入金であつて手附ではない趣旨を認定判示して

いることは明らかであり、挙示の証拠によれば右認定は相当として首肯できる。の

みならず、本訴は右売買契約がその后合意解除され、前記十五万円の内金五万円を

上告人より被上告人に返還する旨の特約が両者間に成立したことを原因とするもの

であることは記録に照らし明かであるから、前記金員の性質が内入金か手附かは判

決の結論に何等影響を及ぼすものではない。それ故原判決には所論の違法は存しな

い。

同第二点について、

本訴は前述の如く上告人と被上告人との間における前記特約を原因とするもので

あり、これに対し原判決が判文に明かなように昭和二八年一月下旬頃訴外D方で被

上告人の代理人である訴外E、上告人及びDの三者が集り協議の末右特約が成立し

たと認定判示している以上、原判決は何等その理由に欠けるところはなく、所論は

畢竟原審の専権に属する事実認定、証拠の取捨判断を非難するに帰し、上告適法の

理由とならない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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