大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(あ)727 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人両名の弁護人黒木喬の上告趣意各第一点について

所論は要するに、被告人は勾留された直後より起訴直前まで接見禁止の処分を受

け、弁護人との接見交通もその指定された日時が起訴の日であつたから結局起訴後

においてはじめて許されたにすぎず、事実上禁止されたかかる接見交通の不当なる

制限は憲法三四条に違反するものであり、ひいてその間に捜査官によつて作成され

た被告人の各供述調書は供述の任意性を欠くものである。従つてその証拠能力は認

められないのに原判決は右供述調書を証拠として採用したのであるから憲法三八条

(三九条とあるは誤記と認める)に違反するというにある。しかし、被告人とその

弁護人との起訴前の接見交通に関し不当な制限措置が採られたとしても、これに対

する救済は別に刑訴四三〇条、四三一条の規定に従い準抗告の方法によるべきもの

であつて、かかる制限措置自体に対する違憲の主張が刑訴四〇五条の上告理由とな

らないことは当裁判所の判例の趣旨に徴して明らかであり(昭和二三年(れ)第六

五号同年七月一四日大法廷判決集二巻八号八七二頁、昭和二三年(れ)第七七四号

同年一二月一日大法廷判決集二巻一三号一六七九頁参照)又右制限措置がなされた

ことから、それが直ちに被告人の捜査官に対してなした供述まで任意牲を欠くもの

であるとは断定し得ないところであつて、その任意性の有無はその供述をした当時

の諸般の情況に照してこれを判断すべきである(昭和二五年(あ)第一六五七号、

同二八年七月一〇日第二小法廷判決集七巻七号一四七四頁参照)。しかして所論の

各供述調書につき供述の任意性を認めた原審の判断は相当であると解せられるから、

この点に関する所論違憲の主張はその前提を欠くものであつて適法な上告理由に当

らない。

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同各第二点及び被告人Aの弁護人黒木喬の上告趣意第三点について

所論は事実誤認、量刑不当、単なる法令違反の主張であつて適法な上告理由に当

らない。

また記録を調べても本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三一年八月三日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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