大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(あ)891 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人山県辰夫の上告趣意第一点について。

所論は判例違反を主張するけれども、原審で主張判断なき事項に関する主張であ

つて、適法な上告理由とならない。のみならず記録を調べると、被告人及び第一審

相被告人Aの検察官に対する各供述調書は、昭和二九年一一月一六日の第一審公判

期日に検察官から「各自の証拠として刑訴三二二条により」取調請求がなされ、こ

れを裁判所が採用し取調をしたものであつて、所論の刑訴三二八条により取調がな

されたのはB及びCの各司法警察職員に対する供述調書であることが明らかである。

(記録八五丁参照)そして昭和三〇年一月三一日の第一審公判期日に検察官は更に

「先に提出した被告人両名の検察官に対する供述調書を相互の証拠とする」として

その取調を請求し、被告人はこれに同意し、裁判所はこれを採用して取調をしたも

のである。(記録一五五丁参照)従つて右の同意は刑訴三二六条による同意と認め

るのが正当であつて、所論の如く、刑訴三二八条により証拠とすることの同意であ

るとは認められない。それ故判例違反の主張は前提を欠くものであつて採るを得な

い。

同第二点について。

所論は違憲を主張するけれども、被告人及び第一審相被告人の検察官に対する各

供述調書が、検察官の脅迫によるもの又はその自白の任意性を疑うべき事由は記録

上認められず、違憲の主張は前提を欠くものといわなければならない。論旨は採用

できない。

同第三点について。

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所論は事実誤認及び審理不尽であるとの単なる法令違反の主張であつて、刑訴四

〇五条の上告理由に当らない。

同第四点について。

所論は量刑不当の主張であつて、同四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきもの乏は認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和三三年一〇月二三日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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