大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(さ)1 判決

主 文

原判決を破棄する。

被告人を懲役一年及び罰金五千円に処する。

右罰金を完納することができないときは、二百円を一日に換算した期間

被告人を労役場に留置する。

原判決確定の日から五年間右懲役刑及び罰金刑の執行を猶予する。

理 由

本件非常上告申立の理由は末尾添付の別紙書面記載のとおりである。

よつて記録を調査するに、原審釧路簡易裁判所は昭和二八年五月六日、被告人A

に対する窃盗傷害被告事件につき二個の窃盗の事実並びに二個の傷害の事実を認定

して、これに対しそれぞれ相当法条適用の上傷害罪について刑法二〇四条所定刑中

懲役刑を選択し、以上の各罪を併合罪として法定の加重をした刑期範囲内において

同被告人を懲役一年六月に処し、五年間右刑の執行を猶予する旨の判決を言い渡し、

この判決は上訴申立期間の経過により確定したものであることが認められる。され

ば原審簡易裁判所は右各傷害罪についてその法定刑中懲役刑をもつて処断するを相

当と認めながら、裁判所法三三条三項、刑訴三三二条により事件を地方裁判所に移

すことなく、自ら同罪につき懲役刑をもつて処断したものであつて、裁判所法三三

条二項に違反するものであること明らかである。よつて右の点に関する非常上告は

理由があり、しかも原判決は被告人のため不利益であると認められるから、刑訴四

五八条一号により原判決を破棄し、右被告事件につき更に判決すべきものである。

原判決確定の事実に法律を適用するに、窃盗の点については刑法二三五条、傷害

の点については同法二〇四条、罰金等臨時措置法二条、三条に当り、傷害罪につい

ては所定刑中罰金刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、各窃盗

罪につき同法四七条、一〇条により法定の加重をした刑期範囲内で同被告人を懲役

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一年に、各傷害罪につき同法四八条により罰金合算額の範囲内において同被告人を

罰金五千円に処すべきものとし、なお罰金刑の換刑処分について同法一八条により

主文第三項のとおり定め、同法二五条罰金等臨時措置法六条により主文第四項のと

おり右各刑の執行を猶予すべきものとする。

よつて、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

本件公判には検察官安平政吉が出席した。

昭和三一年七月一三日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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