大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)1069 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人三宅清、同鍵尾豪雄、同鈴木惣三郎の上告理由第一点について。

原判決の認定したところによれば、本件選挙当日、a町第九投票所では、投票立

会人全員及び受付係の一名が故意に少くとも三四名の詐偽投票の行われるのを黙認

していた事実がある。その数も明かでなく、かつ、投票用紙の管理その他選挙に関

する事務の管理執行が著しく厳正を欠き、その結果として投票用紙が盗難にかかり、

それが不正に使用されて過剰票が生じたという疑を否定できない状態である事実が

認められるというのであつて、かかる違法は、投票の一部に関するものではなく選

挙全体の自由公正を害したものというべきであり、原判決が、本件選挙を無効とす

べきものとしたのは当然である。論旨は、憲法一五条違反を主張するのであるが、

本件選挙が違法であるか否かは、公職選挙法の解釈適用の問題であつて、違法な選

挙を違法とすることが憲法に反するいわれがない。所論は、違憲に名を藉りるに過

ぎない。

同第二点について。

公職選挙法二〇九条の二(論旨が二〇九条としているのは誤記と認める)は、当

選の効力に関する争訟についての規定であつて、選挙の効力に関する争訟に適用さ

るべきものではない(昭和二八年(オ)第五一六号同二九年一〇月一四日第一小法

廷判決、集八巻一〇号一八五八頁)。そして本訴が選挙訴訟であることは、被上告

人の訴願裁決及び上告人の請求の趣旨によつて明かであるから、所論二〇九条の二

を適用すべき限りではない。

同第三点について。

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前記第一点について説示したとおり、本件では、選挙の管理執行にも違法の点が

あり、その数も確定できず、結局、選挙全体の公正を疑わしめるものである以上、

原判決が、これに公職選挙法二〇五条を以て律したことは正当であるといわなけれ

ばならない。

同第四点について。

原判決認定のような事実がある以上、選挙全部の結果に異動を及ぼすおそれがあ

るとすべきは当然で、所論のように、当選人の各得票数と無効投票数とを対比する

必要はない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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