最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)1091 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人小林右太郎の上告理由第一乃至第三点について
しかし、原判決挙示の証拠によれば、上告人、被上告人間に成立した本件不動産
を目的とする売買契約に、上告人主張のような瑕疵は存しないとした原判決の認定
判断を首肯できないわけではない。所論はひつきよう原審の裁量に属する証拠の取
捨選択及び事実認定を非難するか、原判示に副わない事実に基ずいて右判断を攻撃
するに帰着し、すべて上告適法の理由となすに足らず、所論引用の判例は本件に適
切でない。それ故所論は採るを得ない。
同第四点について
しかし、原判決は所論二筆の土地がいずれも本件売買契約成立当時風水害のため
荒廃し、すでに農地の現況をとゞめなかつたものと確定しているのであるから、本
件売買は知事の許可なくしてなされたもので無効であるとの論旨はその前提を欠き、
また農地の現況をとゞめなくなつた土地の地目を変更することなく、これを売買し
た場合に、右売買を無効と解すべき理由は存しないから、論旨后段も採るを得ない。
同第五点について
しかし、不動産の時価の算定は必ずしも鑑定によらなければならないものではな
く、しかも原審は本件不動産を目的とする判示三回の売買代金額と弁論の全趣旨を
綜合して、右不動産の時価を算定していること原判文上明らかであるから、原判決
に所論の違法は存しない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
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最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
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