最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)13 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人柿本栄の上告理由について。
原審で双方代理人により陳述された一審判決事実摘示によれば、被上告人の本訴
請求に対し上告人らの主張する要素の錯誤の抗弁の内容は、被上告人名義の株式会
社D銀行に対する預金債権は実質上上告会社に帰属し、被上告人には属しないにも
かゝわらず、同人に属するものと誤信したため上告会社においてこれを譲り受ける
こととし、その代償として本件六〇万円の金員の支払を約したものであるとの事実
であり、これに対し原審引用の一審判決が証拠により右預金債権が当時被上告人に
属し、本件和解契約の締結にあたり上告会社に錯誤は存しない旨を認定判示してい
る以上判決理由に欠けるところはなく、所論指摘の原判示は不必要な説示というを
妨げないから、右の判示に所論の違法があるとしても原判決の結論に影響を及ぼさ
ないこと明らかである。それ故所論は採るを得ない。
同第二、三点について。
原審引用の一審判決が所論第三点の一に指摘の各書証をいずれも排斥しているこ
とは同判文上明瞭に看取できるから、この点に所論の違法を認め難く、その余の所
論はひつきよう原判示に副わない事実若しくは独自の見解に基いて原審の専権に属
する証拠の取捨判断及び事実認定を非難するに帰着し、すべて上告適法の理由とな
し得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員のの一致で、
主文のとおり判決する。
最高裁判所第二小法廷
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裁判長裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 池 田 克
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
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