大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)198 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人倉重達郎の上告理由一項について。

原判決の引用する一審判決の事実摘示によれば、上告人は所論のとおり主張した

ものと認められるが、原判決がその理由中に上告人の主張として判示するところも

その趣旨においてこれと異るところはなく、しかも原判決はかゝる主張事実を肯認

しなかつたのであるから、原判決に所論の違法はない。

同二項について。

所論委任状等の作成交付の経緯についての原判決の判示によると、原審は、右委

任状は別途一〇万円の債務に関する連帯保証の趣旨で被上告人から上告会社に差し

入れられたもので、その際訴外Dは右委任状等必要書類の差入の取次ないし使者の

役目をしたにとゞまり、そのための代理権を同人に与えたものでないことを認定し

たものと解されるが、かゝる認定は首肯することができ、所論のように当然に連帯

保証について代理権を与えたものと認むべきであるとはいえない。(所論の判例は

本件に適切でない。)されば、所論は原審の事実認定を非難するに帰し、採用でき

ない。

同三項について。

前記原判決の判示によれば、原審は、所論委任状の作成につき前記訴外人に代理

権を与えなかつたことをも認定したものと解すべきであり、その他同人になんらか

の代理権を与えたことは原審の認定しないところであるから、民法第一一〇条の表

見代理を肯定する余地はなく、この点に関する原審の判断は正当である。されば、

所論はその前提を欠き採用できない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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