大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)286 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人西原要人の上告理由第一点ないし第三点について。

原審は、本件物件につき上告人がD村に賃貸している事実及び被上告人がD村か

ら転借している事実を認定しながら、更に、昭和二三年二月五日頃直接上告人と被

上告人との間に同一物件について賃貸借が成立した事実を認定していることは所論

のとおりであるが、原判示の如き特段な事実関係の下において、転借物件につき直

接賃貸借契約の成立を認めることは実験則に反することでなく、また、原判示に理

由不備の違法もない。所論は結局原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実認定を

非難するものであつて、採用できない。

同第四、五点について。

被上告人は賃貸借の存続期間を昭和三六年一〇月末までとするD村との賃貸借と

同一条件で賃借したと主張しているのであつて、原判決に所論の如く当事者の主張

しない事実を認定した違法はなく、また、所論の如き釈明権不行使、審理不尽の違

法もない。

同第六点について。

原審は昭和二三年二月五日頃上告人と被上告人との間に本件物件につき賃料一ケ

年四、五五〇円とするが、その他の条件はD村と上告人との間の賃貸借と同様とす

る賃貸借の成立したことを認定したものであることは、判文上明らかであつて、右

判示に所論の如き不明確又は理由不備の違法はない。

同第七点について。

弁論の全趣旨の何であるかはこれを明示することを要しないものであるから所論

- 1 -

は採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!