大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)297 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人前田齊の上告理由について。

記録を精査し原判決を仔細に検討しても原審事実認定に所論の如き経験則違背の

点なく、その余の論旨は結局原審認定にかかる上告人(代理人高橋久江)が係争の

売買契約を締結するに際しその究極の買主が被上告人であることを売主である訴外

D工業株式会社(E製作所資材課長F)に告げずその氏名にすら触れなかつたとの

事実、右Fの高橋久江に対する名刺の交付は上告人が同会社所有a倉庫に立入り売

買の目的物件引取に支障のないようにとの趣旨であつたとの事実、上告人が右目的

物件たる耐火煉瓦一万箇の引渡を受けず遂にそれが特定するに至らなかつたとの事

実その他を単に否定し、これら原判示に副わない事実、従来主張しなかつた事実等

に基いて原審の法令の適用を非難するに帰着するから、すべて採用し得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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