大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)573 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人岡崎一夫の上告理由第一点について。

原判決の措辞必ずしも周到でないが、原審は、上告人において所論現金一二万一

一〇円を受領するにあたり、これをもつぱら上告人主張の損害賠償債務だけに充当

し、所論屑鉄代金債務には原判示の約束手形金を充当する旨提言して、D株式会社

から右現金を受領したものと認定した趣旨であることを窺うに足りる。されば、右

損害賠償債務が存在しないこと原判示の如くなる以上、前記現金の支払は法律上の

原因を欠く給付さるべきは当然であつて、原判決には所論の違法はない。

同第二点について。

D株式会社は所論損害賠償請求権の不存在を知りながら、その支払いとして現金

を提供したものでないことは、原判示からこれを窺うことができる。

論旨は、これと相容れない見解に立脚するものであつて、採用し得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!