大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)723 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨は、民訴四二〇条一項三号に関する原審の解釈とその不適用を非難する。し

かしながら同号は訴訟代理権を有しない者がその訴訟に関与しても、本案につき何

ら実質的な訴訟行為を為さず、したがつてその者の訴訟関与がその判決に影響を及

ぼす蓋然性が全く存しない場合においては、他に特段の事由の存しない限りこれを

含まない趣旨と解するを相当とする。今本件についてこれを見るに、原審は前訴第

一審における昭和二五年八月三日午後三時に開かれた口頭弁論期日に、所論D弁護

士が上告人の訴訟復代理人として出頭し、同弁護士に右代理権は存しなかつたので

あるが、同弁護士は右期日には単に弁論の延期申請を為したのみで本案については

実質的な訴訟行為を何等為さなかつたものであることを認定し、更に前訴第一審裁

判所は右弁護士の右弁論延期申請を却下し右期日にその弁論を終結しておるのであ

るが、上告人は右期日以前既にその攻撃防禦の方法の提出を了つて居るのであつて

同裁判所はその機会を奪つたものでないこと等をも認定して、右点に関する上告人

主張の請求原因が民訴四二〇条一項三号に該当しない旨を判断しておるのであつて、

右判断はまことに相当であるから、原審に所論違法はなく、論旨は理由がない。

その余の論旨はすべて(なお、憲法三二条違背を云う点は実質上原審の民訴四二

〇条一項三号の不適用を非難するの域を出るものではない)原判決に影響を及ぼす

ことの明らかな法令の違背を主張するものとは認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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