最高裁判所第二小法廷 昭和32(あ)1581 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人両名の連帯負担とする。
理 由
被告人両名弁護人山口安憲の上告趣意(同補充を含む)について。
所論刑法一八条が憲法一一条、一三条および一八条に違反するとの主張は、原審
において主張判断を経なかつた事項に関するものである。のみならず、「罰金刑は
刑法上認められている刑罰の一種であり、また換刑処分を定めた刑法一八条の規定
は罰金の特別な執行方法を定めたもので罰金刑の効果を完うするための規定である」
ことは、昭和二四年(れ)第一八九〇号、同二五年六月七日大法廷判決(刑集四巻
六号九六一頁)の判示するところであり、右判決の趣旨からすれば、罰金不完納の
場合の労役場留置は、憲法一八条にいう「犯罪による処罰」に当たることは明白で
あるから、刑法一八条が憲法一八条に違反するとなし得ないことも自から明らかで
ある。また刑法一八条が憲法一一条一三条に違反するものでないことも前記大法廷
判決および昭和二三年(れ)第一四二六号同二四年一〇月五日大法廷判決(刑集三
巻一〇号一六四八頁)の趣旨に徴し明らかである。それ故所論は全て採るを得ない。
なお、昭和三一年(あ)第八七四号、同三三年五月六日第三小法廷判決、刑集一二
巻七号一三五二頁参照。
また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて同四〇八条、一八一条、一八二条により裁判官全員一致の意見で主文のと
おり判決する。
昭和三五年三月二五日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 小 谷 勝 重
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裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 池 田 克
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
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