大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和32(あ)1767 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人三ツ木正次の上告趣意第一点は、単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴

四〇五条の上告理由に当らない。(原判決は本件楽器は被告人が個人の事業として

製造したものであるが、その物品税を免れるために原判示宗教団体から委託されて

製造したものであるように仮装しているに過ぎないものと認定したのであるから、

それ以上右宗教法人が適法に存続していたか否か、存続しないとすればA個人から

委託されたものであるかどうかを判断する必要はない。また原審は、証拠に基き右

事実を認定判示しているのであるから、所論のように判決に理由を附しない違法は

ない。)

同第二点は、事実誤認の主張であつて同四〇五条の上告理由に当らない。(物品

税法六条四項により委託者が製造者と看做されるのは、販売業者が原料、労務、資

金等を供給して製造を委託した場合である。しかるに、記録によるも宗教法人B製

作所が右の要件を充たしていると認めるに足る証拠はない。)

同第三点は、量刑不当の主張であつて、同四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により裁判官全員一致

の意見で主文のとおり決定する。

昭和三五年三月三〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

- 1 -

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!