最高裁判所第二小法廷 昭和32(あ)2061 決定
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
被告人Aの弁護人河和金作の上告趣意および被告人Bの弁護人三上英雄の上告趣
意について。
しかし、原判決は「被告人等は、Cと共謀の上、俗に豆丁半と称する賭博に名を
かりて、Dを所謂さくらに引き入れ、原判示のように豆一粒の操作を秘し、恰も常
に同女の側において勝利を占め得られるもののように同女を誤信させ、よつて同女
をして賭金名義の下に現金二万円を交付させたことを十分に認め得るのであつて、
所論のように右二万円は被告人等に対する単純な貸付金と認めることはできないし、
また単なる賭博でもない。」と認定判示しており、その趣意は、所論主張のように、
単純に所論賭博行為の勝敗の結果として現金二万円の交付をなさしめたと認定した
ものとは解し難い。(記録によれば、右金員交付以前における賭博行為等は、右D
をして右金員を交付させるための欺罔手段であり、その以後における賭博行為は、
被告人等において該金員の占有を確保するための手段と認めるのが相当である。)
されば、論旨中判例違反をいう点は、原判決の認定に添わない事実関係に立脚する
ものであるからその前提を欠き、その余の論旨は事実誤認の主張を出でないもので
あつて、すべて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により裁判官全員一致
の意見で主文のとおり決定する。
昭和三五年三月三〇日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 小 谷 勝 重
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裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 池 田 克
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
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